1920年代。
キメラの脅威は、ロシアからの生化学実験の報告から始まった。
発生源不明で増殖速度が破滅的に早い新種のウィルスが漏れた。
村々が一夜のうちに壊滅したという知らせがあり、
さらには大きな街が滅んだと伝えられた。
1930年代後半。
欧州各国が一団となってロシアとの国境を封鎖。
キメラはロシア国内に10年以上にわたり封印され、静かに潜伏していた。
1949年。
キメラが動き出す。
ロシア国外へ侵攻を開始し、数週間のうちに欧州全土を制圧してしまう。
我々は、海を越えたイギリスは安全だと考えていた。
確かに安全だった。
ほんの数ヶ月の間は・・・・・
1950年3月。
キメラが、イギリスに向かって海峡の下を掘り進め始めた。
勿論我々も侵攻には備えていた、が。
たった3ヶ月の戦争だった。
我々はキメラに街を明け渡し、点在する基地や前哨キャンプに退却した。
キメラの勝利である。
1951年7月11日。
アメリカ軍がイギリス東岸からの上陸作戦を仕掛ける。
そこに「ネイサン・ヘイル」という名の軍曹がいた。
この一人の兵士の行動は、のちに神話となる。
以下の話は、1951年7月11日から14日まで、
彼がイギリスに上陸してから最後の日までに起きた奇跡の記録である。
イギリス諜報部
レイチェル・パーカー大佐